スマイリング・ビューティー 第17号 2008年9月発行
院長コラム
こんにちは。院長の加藤 義浩です。
暑い夏が続きましたね。あなたは、いかがお過ごしでしょうか?
私はスポーツクラブでよく泳いでいます。3ヶ月で体重が10kg減少。体調も良くなり、いびきも軽くなり、よく眠れます。何より、高かった血糖値が戻りました!健康って大事ですね。
あなたも、体調管理には十分にご留意なさってください。
今回は、前回に引き続き虫歯の治療について説明します。
前回お話したのは、一番軽度な虫歯、C1「しーわん」でした。今回はもう少し虫歯が進んだ虫歯C2「しーつう」の事をお話します。下の写真がC2の歯です。歯の象牙質まで虫歯になったものです。
C2の虫歯になると、単純につめるだけでは無理です。歯型を取って、金属をはめ込む治療になります。
歯型を採る材料は、アルギン酸と呼ばれるもので、海草の一種です。粉にお水を加えて混ぜると3分ほどで固まります。しかし、歯医者さんでもどうして固まるのかは良く分かっていません…。この材料は固まった後でもゴムのように適度にやわらかい材料です。歯の奥の細かな所にまで入り込み、固まった後に外しやすい性質があります。
注射器のような容器に入っている物の正体は寒天です。より精密に歯形を採るために、アルギン酸と一緒に使います。
これで、歯型が出来上がります。
かみ合わせは大切なので、上と下の両方の歯型を取らないといけません。けっこう、手間がかかるのです。
この後に、取った歯型に、石膏を流し込んで固めます。その話はまた来月お話いたします。
もっと・ちょっと・きっと 役に立つ歯のおはなし スポーツの秋を満喫する 運動と歯の意外な関係
今年は4年に一度のオリンピック。
先月は北京オリンピックを見るためにテレビにかじりついていた方もいるのではないでしょうか。かくゆう私も普段はあまりスポーツに関心がないのに、オリンピックになると柔道やら水泳やら体操やらと忙しく観戦し、今は異様に運動したい病に罹っています。オリンピックで味わった感動を胸にこの秋は運動に燃えようと思っていますが、まずは歯の検診から始めようと思います。
って、運動するのに歯が関係あるの?と思った方、歯は運動する人にとって、とっても大切なのです。
人間は、瞬発的に力を発揮しなければならない時には、口を閉じてしっかり奥歯を噛みしめます。そうでないと、強い力は発揮できません。「歯をくいしばる」という言葉はここからきてます。
スポーツ選手にとって歯は命。一流選手ほど、歯にかかってくる負担は相当なものです。歯への力のかかり具合(咬合力、咬合圧)は、スポーツの種類と内容によって異なりますが、瞬間の筋肉の力を最大限に発揮する事を要求されるスポーツにおいては、その重要度は高くなっています。
通常、奥歯を噛みしめた時の力「咬合圧」は、平均50~70キロですが、立ち合いのぶつかり合いや瞬間の勝負をする相撲の力士では、咬合圧は100キロを超えているのです。元巨人軍の王選手がホームランを打った時の咬合圧は、90キロあったそうです。王選手の大記録の秘密は並外れた咬合圧にあったのです。まさに彼の抜きんでた瞬発力、爆発力の源は、丈夫なあごと丈夫な歯にあったのです。
「歯を食いしばらなければ力はでない」といわれるほど、歯並びとスポーツは深い関係を秘めているのです。スポーツ選手が矯正歯科治療を始める理由も納得ですね。実際、今回の北京オリンピックに出場した、女子マラソンの土佐礼子さんは、歯列矯正を3年間おこないました。彼女は八重歯の影響で歯並びが悪く、右肩が下がるフォームの為もあり、故障が絶えず、歯列矯正を始めたそうです。今年の5月に治療が終了した際、歯並びがよくなり、フォームまでも治ったそうです。十分に自分の力を発揮するためや自分の身体バランスをよくするために歯列矯正をするというのもスポーツをするための体づくりの一環なのです。
最近の傾向として、マウスガードを使用してゴルフなどのスポーツをする人が増えています。マウスガードは体が接触する機会の多い激しいスポーツ、たとえばラグビーやボクシングなどで装着します。これは、歯が折れたり、口の中が傷ついたり、あごや顔面に損傷を受ける危険性があり、スポーツ事故防止のために上顎の歯に着けるものです。一部のスポーツでは義務化されており、スポーツ外傷から歯や顎の骨、さらには首の骨や脳を守るとさえ言われる装置です。歯を失うのは虫歯や歯周病だけではないのです。サッカーやバスケットなどでも幼少期からの装着をおすすめします。マウスガードは市販されているものもありますが、歯科医院で製作することもできます。
いつまでも楽しんでスポーツをやるためにも、歯を守り、いい状態にもっていくことは大切です。スポーツの秋を満喫するために、一度歯の検診をおすすめします!
簡単節約生活
家計の中で大きな買い物といえばマイホームやマイカーを浮かべますが、実は2番目に大きいのが生命保険なのです。家や車は自分や家族の好み、予算で悩んで悩んで買うことが多いと思いますが、生命保険に関しては、なぜかあまり考えずに決めてしまう方がほとんどです。しかし、商品の選択によっては数十万、場合によっては数百万レベルで保険料が変わってきます。きちんと選ぶことによって、かなりの節約になります。そこで、今回は保険を選ぶ際に注意していきたい点をお伝えします。
1. 真ん中選びの法則
レストランのコースでも同じですが、安い・真ん中・高いと料金設定があると、人は真ん中を選ぶ傾向にあり、それを知っている経営者は、真ん中のコースの利益率を高く設定することもあります。保険の場合でもそうです。その罠にひっかからないためにも料金を比較するときは必ず同じ商品を他の会社と比較する事が重要です。
2. 数字のトリック
確率は同じなのに消費者に見せたくない数字は「%」で、アピールしたい数字は「人数」等実数で表示することでイメージをかきたてることができるのです。「この病気にかかる人が120人もいます。(10万人中)」と「この病気になる確率は0.12%です。」では、かなりイメージが違いますよね。第一印象で数字を捉えず、その裏にある絶対的な数字を読み取る必要があるのです。
3.脳は面倒くさがり
変額保険、個人年金保険、外貨建て保険、学資保険など、いろいろな要素が複雑に組み合わさっている保険は、一瞬で損得が判断できません。人間の脳は複雑な計算をする場合に、脳が勝手に簡略化して捉えてしまう性質があります。それを考慮して、しっかり強い意思をもって、分からないものは買わないようにしましょう。
4.もったいないおばけ
いままでかけていた保険代がもったいないから、そのまま継続するって方もいると思いますが、「本当に必要なのか」で判断すべきです。今まで必死にやりくりをして支払ってきた保険だからと、見直しをためらってしまうと損をすることも。生命保険はライフステージによって見直しをしなければいけないものです。正直、手間で面倒ですが、一度頭をリセットして、一から損得を判断しましょう。そうして、月々の支払いで生活費が圧迫されるなんて事をなくし、もっと有意義に家族のために使いましょう。
心のコラム 『子どもだった鬱はある』
言葉で心の中身を伝えられないのが子ども
大人は会話の中で、何気なく「ストレスで胃が痛いとか、頭が痛い」と言っていますよね。もっとも、重症な人はそのストレスさえも気づかないで無理していることが多いのですが、子どもや赤ちゃんにだって、当然、ストレスはあります。幼児であれば、親が構ってくれない、しつけにうるさい、弟や妹の誕生、試験勉強や母親の過保護など。子どもは周りの出来事に左右されず、勝手気ままに生きている、と思う人も多いでしょうが、本当は子どもの心こそ周りの人や環境に影響を受けやすいのです。ソーシャルスキルと呼ばれる人付き合い技術もまだ発展途上なので、大人以上に、心配事や悩み事を溜め込んでいます。加えて、思春期になると、大人へと変化する体と精神面がついていかず、戸惑いや不安からストレスが生じるようになります。
また、食事面ではカレーライスやハンバーグ、インスタント食品など好きなものばかり食べ、おやつはスナック菓子に甘いジュースなど。こうしたバランスの悪い食事がイライラの原因になったり、基礎代謝の低下によって無気力を生じさせているのです。その結果、近視や虫歯、肥満に加え、登校拒否や家庭内暴力、非行などが増加しているといえるでしょう。子どものストレスは健康に害するだけでなく、性格形成上、支障をきたすことが多いのでより注意が必要なのです。
子どものストレスの見分け方
子どもの場合、心と体が一体となっており、情緒的な不安定さがすぐに体に現れます。子どものうつに気づくには左記のサインを参考にしてみてください。
症状は多肢にわたりますが、これらのSOSサインを見逃さないようにしましょう。
- 理由もないのに泣き叫ぶことがある
- あらゆることに臆病すぎるところがある
- 他人にあまり関心をもたない
- 自分からは積極的に遊ばない
- 会話のペースがゆっくりすぎる
- 食欲の低下が激しくなった
- 目をパチパチしばたくことが多くなった
子どもの心の成長を育むには大人のリアクションが大切
泣き叫ぶ乳児に対して、親はオムツを替えたり、ミルクをあげたりと言葉で伝えられない部分を察知して対応します。それと同じことを親や周りの人は子どものストレスレベルを判断し、程度に応じて対応することが必要となります。気になる症状が頻繁に現れるようであれば、医師に早めに相談しましょう。
また、子どものストレス防止のために日常の生活が大切になります。左記のことに注意することも効果があります。
● たんぱく質、カルシウム、ビタミン類をたっぷり摂らせる。
● 勉強に集中できるように、朝食は抜かせない。
● 一日一度は家族そろって食事をする。
● 時間に余裕をもたせるために、早起きの習慣をつける。
● 夜更かしはさせない。遅くても11時までに寝かせる。
● ぬるいお風呂にゆっくり入らせる。
● 騒音、暑さ、寒さなど生活環境を整える。