インプラントは「第三の歯」として注目される理由
歯を失ってしまった・・・
そんな時、多くの方が悩まれるのが治療法の選択です。入れ歯、ブリッジ、そしてインプラント。それぞれに特徴がありますが、近年「しっかり噛める」という点で注目されているのがインプラントです。
インプラントは、顎の骨に人工歯根を埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法です。
失った自分の歯に代わる「第三の歯」として、多くの患者様に選ばれています。
では、なぜインプラントは「噛む力」に優れているのでしょうか?

天然歯と比較したインプラントの咀嚼能力
噛む力を数値で比較すると、その差は明確です。
天然歯の咀嚼能力を100%とした場合、入れ歯ではわずか10~20%程度しか咀嚼できないと言われています。
部分入れ歯でも20~60%程度にとどまります。
つまり、入れ歯では硬いものを食べにくく、食事の際に不便を感じることが多くなります。入れ歯の咬む力はインプラントに比べると10分の1以下になってしまうのです。
一方、インプラントの咀嚼能力は天然歯に近い水準まで回復できます。
この大きな差はどこから生まれるのでしょうか?
答えは、インプラントの構造にあります。
インプラントは顎の骨に直接人工歯根を埋め込むため、天然の歯を支えている仕組みとほぼ同様の構造を持っています。噛む力が歯槽骨によって支持されるため、しっかりと安定し、かなりの力で物を咬むことができるのです。
顎の骨に直接固定される仕組みが鍵
人工歯根が骨と結合する「オッセオインテグレーション」
インプラントの重要な特徴は、チタン製の人工歯根が顎の骨と直接結合することです。
この現象は「オッセオインテグレーション」と呼ばれます。
チタンと骨が生体レベルで融合し、結合が完了すると、インプラントは顎の骨としっかり一体化します。天然歯の歯根と同じような役割を果たすようになるのです。
人の物を噛む力は非常に強く、前歯で20kg、奥歯なら60kg、口の中全体では実に350kgぐらいのすごい力を持っています。
噛む力は、歯が約3分の1であごが残りの3分の2を支えています。
あごの骨には歯の数だけ凹みがあり、その中に歯がきちんと収まっているため、固いものを噛んでもびくともしません。
インプラントも同様に、顎の骨が噛む力の大部分を支えるため、天然歯に近い咀嚼力を発揮できるのです。

入れ歯やブリッジとの構造的な違い
入れ歯は歯肉の上に乗せるだけの構造です。
残っている自分の歯にバネをかけて安定させますが、固定式ではなく取り外し式のため、噛む力は大幅に低下します。
また、残っている歯への負担が増大し、結果的にその歯も早く失われてしまうリスクがあります。
入れ歯が合わないと痛みを感じたり、硬いものを食べにくかったり、食事の後の手入れの煩わしさと慣れるまでの違和感があります。
ブリッジは、失った歯の両隣の健康な歯を削って土台にし、橋をかけるように金属の冠を固定する方法です。
固定式なので入れ歯よりは安定し、自分の歯と同じような感じで使えます。咀嚼率が高く噛む力が分散でき、違和感も少なく見た目も良いという長所があります。
しかし、健康な歯を削らなければならず、土台になっている歯への負担が増えます。
健康な歯の寿命を縮めてしまう可能性があるのです。また、土台となる健康な歯がなければブリッジにすることはできません。
インプラントは、他の健康な歯を削る必要がなく、独立して機能します。
これが、長期的に見てもインプラントが優れている理由の一つです。
咀嚼力が高いことで得られる健康メリット
食事の質が向上し、栄養バランスが改善
しっかり噛めるということは、食事の楽しみが広がるということです。
歯の数が24~25歯以下になると、咀嚼できる食品の種類が減ってしまうと言われています。
体をつくるタンパク質や、ビタミン、ミネラルの摂取が減り、簡単に食べやすいパンやごはんなどの炭水化物の割合が多い食事になってしまう傾向があります。
インプラントで咀嚼力を回復させることで、肉や野菜など多様な食材をバランスよく食べられるようになります。
栄養状態の改善につながるのです。
たった1本歯が抜けただけでも、通常の2~3倍の力を加えないと同じようには噛み砕けません。失ってしまったら、すぐにでも同じように噛めるように治療をしなければ、噛む力だけでなく、体のバランスなどにも影響が出てきます。

脳の活性化と認知機能の維持
噛むという行為は、脳への刺激にもなります。
きちんと噛めるということは、痴呆症やがんの予防にも効果があり、全身の健康にも影響してきます。
咀嚼による脳への血流増加は、認知機能の維持にも重要な役割を果たすと考えられています。
残存歯数が24本以下であった方は、25本以上の歯を有していた方と比べると、1.55倍脳卒中を発症する割合が高かったという研究報告もあります。
インプラントによって咀嚼力を回復させることは、単に食事の問題だけでなく、脳の健康維持にもつながる可能性があります。
体幹バランスと全身の健康への影響
噛み合わせは、体のバランスにも影響します。
歯の喪失に伴って体幹のバランスも崩れ、転びやすくなったり、死亡リスクが高くなったという報告もあります。
インプラントで咀嚼力を回復させることは、全身の健康寿命の延伸にもつながると考えられます。
昔に比べ医学は大変進歩しており、治療により失った歯と歯根を回復させ、自分のものと同じ感覚でしっかり噛むことができるようになりました。
インプラントと天然歯の違い・・・歯根膜の有無
天然歯にある「歯根膜」の役割
天然歯には「歯根膜」というクッションの役割を果たす組織があります。
歯根膜は、歯と骨をつなぐ組織で、圧力を感知するセンサーの役割を果たします。
髪の毛一本程度の異物があってもしっかりと感知する優れたセンサーです。
食べ物の硬さを感じ取り、噛む力を自動調整し、硬いものを噛んだときには適度に力を分散して歯を守ります。
天然歯は、「硬いものを噛む時には力を抜き、柔らかいものはしっかり噛む」というように、噛む力を細かく調整できるのが特徴です。
インプラントには歯根膜がない
一方、インプラントには歯根膜が存在しません。
人工の歯根が骨と直接結合しているため、噛み心地の感覚がやや鈍くなります。
硬さの感覚が鈍く、食べ物の硬さを感じ取りにくいため、噛みすぎてしまうことがあります。
歯根膜がないため、力を分散する仕組みがなく、骨に直接負荷がかかります。
とはいえ、天然歯に近い水準で噛むことは可能です。
気を付けなければいけないのは、かなり硬い物を噛むときです。
硬すぎる物をインプラントで噛むと、上部構造がひび割れたり、アバットメントがゆるんだり、インプラント体と顎の骨の結合が阻害される可能性があります。

インプラント治療を成功させるために大切なこと
適切な噛み合わせの調整
インプラント治療後は、噛み合わせの調整が重要です。
歯根膜がないため、強く噛みすぎてしまうことがあります。
噛みすぎないように意識し、咬合調整をしっかり行うことで、インプラントや周囲の骨に負担がかかりすぎるのを防ぎます。
定期的なメンテナンスの重要性
インプラントはメンテナンスが重要な歯科治療です。
人工歯根を埋め込み、上部構造を装着するまでには数ヶ月の期間を要します。
その後のメンテナンスまでしっかり継続することで初めて長持ちさせることができます。
定期的なメンテナンスを受けることで、インプラントを長期的に良好な状態で維持できます。
歯ぎしり・食いしばりへの対策
歯ぎしりや食いしばりは、インプラントにとって大敵です。
無意識に行う歯ぎしりは、噛む力が100kgを超えることもあり、人によっては200kgに達することもあります。
しかも食物が介在していないため、それだけ強い力がダイレクトに加われば、インプラントや周囲の骨にも大きなダメージが及びます。
歯ぎしりや食いしばりの習慣がある方は、インプラント治療を受ける前にその習慣を改善することが望ましいです。
ナイトガードなどの使用も有効な対策となります。
加藤歯科医院が提供するインプラント治療
当院では、患者様に安全で最善な治療を提案しています。
インプラント治療は、失った歯と歯根を回復させ、自分のものと同じ感覚でしっかり噛むことができる治療法です。
義歯のかむ力をサポートし、義歯が外れにくくなり、インプラントは安定しており、かなりの力で物を咬むことができます。
入れ歯、ブリッジ、インプラントの3つの治療方法の中から、患者様の口腔内の状態、全身の健康状態、ご希望に応じて最適な治療法をご提案いたします。
インプラント治療には人工歯根の埋め込みの手術が必要で、健康保険は適用されませんが、長期的に見て多くのメリットがあります。
きちんと噛めて、見かけもきれいにして、いつまでも楽しい食事をしましょう。
しっかり噛める喜びを取り戻しませんか?
インプラント治療に関するご相談は、鴻巣市の加藤歯科医院までお気軽にお問い合わせください。
患者様一人ひとりに最適な治療計画を、丁寧にご説明いたします。