歯を失ってしまった場合、多くの患者様が「どのような治療法を選べばよいのか」と悩まれます。

差し歯は歯の根が残っている場合にのみ可能な治療法です。歯の根がなくなってしまった場合、選択肢は大きく分けて「入れ歯」「ブリッジ」「インプラント」の3つになります。

インプラントは、顎の骨の中に人工歯根を埋め込み、その上に歯を作る治療法です。失った自分の歯に代わる「第三の歯」として、近年注目を集めています。

人の物を噛む力は非常に強く、前歯で20kg、奥歯なら60kg、口の中全体では実に350kgぐらいのすごい力をもっています。噛む力は、歯が約3分の1であごが残りの3分の2を支えています。

しかし、たった1本抜けただけでも、通常の2〜3倍の力を加えないと同じようには噛み砕けないのです。

きちんと噛めるということは、痴呆症やがんの予防にも効果があり、全身の健康にも影響してきます。

インプラント治療の全体的な流れと期間

インプラント治療は、開始から終了まで3カ月〜1年が一般的な目安です。

手術自体は1〜2日程度で終わりますが、埋め込んだインプラント体とあごの骨が結合するまでに時間がかかるためです。一般的に、下あごより上あごの方が治療期間は長くなります。

虫歯や歯周病などがある場合は、インプラント治療を始める前にこれらを治療する必要があるため、期間はさらに長くなるでしょう。また、あごの骨に厚みが足りない人は、あごの骨を増やす造形手術も必要です。骨の造形手術をする場合、一般的な治療期間にプラスして4〜5カ月が目安です。

最短で2か月程度、長くて6か月以上かかります。

第一治療へ進むためには、数か月の期間を空けてインプラントを骨に定着させなければいけません。インプラントが骨に定着する期間は患者様によって異なり、主にあごの骨の状態や内科的な疾患の有無などによって前後いたします。

Step.1 検査・治療計画・・・安全な治療の第一歩

お口の検査、治療計画のご提案は一日で終わります。

もちろん、ご検討はご自宅に帰ってゆっくり行ってください。ご不明点があれば、何度でもお越しください。

問診で患者様の状態を詳しく把握

患者様にとって本当の解決をご提案するため、より安全なインプラント治療をご提供するため、ヒアリングを大切にしています。

まずはインプラント治療を受けたい理由、お悩みをうかがいます。これまでの治療歴についても、お聞かせください。

骨粗しょう症や糖尿病などは、インプラント治療に影響を与えることが多いため、事前にすべての患者様に確認をとっております。

口腔内検査で現在の状態を確認

お口の状態を診察し、虫歯や歯周病、その他のトラブルがないかを確認します。

同時進行で治療できるものもあれば、他のトラブルを解決してからインプラント治療をおすすめすることもあります。また、現在は目立っていないものの、放っておくと数年後に治療が必要になりそうな状態の歯があれば、そちらの状況もお伝えさせていただいております。

レントゲン検査・CT検査で骨の状態を把握

レントゲンだけではなく、骨の形や量を立体的に把握できる歯科CTを撮影します。

インプラント治療は骨の状態に左右されるので、歯科CTを備えたクリニックがおすすめです。ちなみに、歯の状態によってはCT検査をする必要がない方もいらっしゃいます。

当医院では、治療上必要な検査のみを行うことで、患者様へ余計な負担をかけることなく、インプラント治療を受けていただけます。

治療計画のご提案

必要に応じて、口腔内の写真をご覧いただきながら治療の選択肢をご説明します。

保険の使える差し歯、ブリッジ、入れ歯を希望される方に、無理にインプラントをおすすめはしません。また、口腔内検査を経て、当初の予定よりも治療する歯が増える方も多いです。そのような場合も、患者様の予算に合わせて適切なプランをご提示させていただきます。

患者様が治療計画にご納得いただけましたら、第一治療へと進みます。

歯科医院での問診とカウンセリングの様子

Step.2 第一治療(インプラントの埋入)・・・手術の実際

顎の骨にインプラント体を埋め込んで、歯茎を縫合するまでが第一治療です。

手術は、3本でおよそ10〜15分程度で終わるので、少し休んだらすぐご帰宅いただけます。

消毒・麻酔

静脈内沈静法で麻酔を行います。

局所麻酔や電動麻酔により、注射自体の痛みも軽くなるよう工夫しています。手術中はリラックスしてウトウトした状態ですが、意思疎通ができます。

歯医者が苦手な方や治療本数が多い方は、麻酔医の立会いをご希望されることが多いです。また、内科的な疾患をお持ちの方や血圧が上がりやすい方などは、手術のリスクをより抑えるために、医院側から麻酔医の立会いをおすすめするケースもあります。

骨に孔を形成。インプラントの埋入

歯茎を切開して歯槽骨を露出。ドリルで骨に孔を開け、インプラントを埋め込みます。

インプラントの頭部にカバースクリューという部品を装着し、縫合したら終了です。麻酔はお声がけするとすぐに覚めます。

インプラントの埋入とは、植物の種を埋めるようなイメージで、インプラントが歯茎の中に埋もれた状態になります。また、この時は仮の歯を設置してご帰宅いただくため、第二治療までの間に歯がないということはありません。

治癒期間・・・インプラントと骨の結合を待つ重要な時期

第一治療から2〜6か月おき、骨とインプラントの定着を待ちます。

年齢やお体の状態によって期間は異なります。インプラントがあごの骨にしっかりと結合するには、3カ月〜半年ほどの期間が必要です。

インプラント埋入手術をしたあとは1〜2週間ほど腫れや痛みの症状が出ますが、徐々に落ち着いてきます。

ただし、インプラントとあごの骨の結合に悪影響をもたらす可能性があるため、治療中は過度な飲酒や喫煙、激しい運動は避けましょう。細菌感染による炎症のリスクを軽減できるよう、傷口にはできるだけ触らないようにします。刺激の強い食事は控え、口腔内をできるだけ清潔に保つこともポイントです。

インプラント治療中の治癒期間と骨結合のプロセス

Step.3 第二治療(アバットメントと人工歯の装着)

インプラントが定着していることを確認したのち、歯茎を少し切開して、インプラントの頭を出します。

アバットメントの装着

その後、インプラントにアバットメントという部品を差し込みます。

アバットメントはインプラントと人工歯をつなぐ支柱のようなパーツです。このまま、切開した歯茎が癒えるのを待ちます。

型取り・かみ合わせの調整

アバットメントの装着から3〜7日後、型取りを行います。

口腔内の状態に合わせて仮歯を修正しながら使っていきます。仮歯をつける期間は、快適な人工歯をつくるためのテスト期間であるため、違和感などがあれば必ず医師に伝えましょう。

ただし、仮歯はプラスチック製のため、最終的にインプラント人工歯として装着するセラミックと比べると耐久性は大きく劣ります。仮歯を使っている間は、硬い食べ物や粘着力の強い食べ物は避けた方が安心です。

インプラント装着

最終的な人工歯を装着したら第二治療は完了です。

Step.4 半年ごとの定期健診へ

インプラント治療が完了した後も、半年ごとの定期健診が重要です。
しっかりとメンテナンスをすることで、インプラントは生涯にわたって使えます。

歯科医院での定期健診とメンテナンスの様子

治療期間を短縮できる方法

インプラントを製造しているメーカーは世界中にありますが、その中でもストローマン社製Roxilid SLAインプラントは世界シェアNo.1のブランドです。

50年の歴史と20年の追跡調査を行っている信頼の高いメーカーであると共に、治療期間の短縮も可能にしたことで注目されています。

従来のインプラントでは骨との結合に3〜6か月かかっていましたが、ストローマンインプラントでは最短6週間程度で結合が可能になるケースもあります。

他の治療法との比較・・・入れ歯・ブリッジとの違い

失った歯を補う治療方法は、インプラント・ブリッジ・入れ歯などの方法があります。

入れ歯との違い

入れ歯は1本から数本なくなった部分を補う部分入れ歯と、一本もない状態を補う総入れ歯があります。人工の歯は、歯肉の上に乗っているだけで、残っている自分の歯にバネをかけて、入れ歯を安定させます。固定式ではなく、取り外し式です。

長所として、歯を削らずに済み、健康保険の適用が可能なことです。短所として、入れ歯が合わないと歯茎とぶつかって痛いとか、硬いものを食べにくい、硬いものを食べるには入れ歯安定剤が必要、などがあります。

また、残っている自分の歯への負担の増大し、結果的に早く失われてしまいます。一番患者様を悩ますのが、食事の後の手入れの煩わしさと慣れるまで違和感です。

咬む力はインプラントに比べると10分の1以下になります。

ブリッジとの違い

失ってしまった両隣の歯を削って土台にし、橋をかけるように金属の冠を固定します。道路の橋に似ていることから、この名がついています。

長所として、固定式なので、自分の歯と同じような感じで使えます。咀嚼率が高いという意味でも噛む力が分散でき歯周病の方にはよいでしょう。違和感も少なく、見た目も良いのが特徴です。健康保険の適用が可能です。

短所として、健康な両隣の歯を削らなければならなく、土台になっている歯への負担が増えます。健康な歯を削ることで、その健康な歯さえも寿命を縮めてしまいます。また、土台となる健康な歯がなければ、ブリッジにすることは出来ません。保険が適用される治療には制限があり、見た目を気にする場合は前歯3番目までしか白い材料が使用できません。

インプラントの優位性

インプラントは、義歯のかむ力をサポートし、義歯が外れにくくなります。インプラントは安定しており、かなりの力で物を咬むことができます。

自分のものと同じ感覚でしっかり噛むことができるようになりました。

それぞれの方法やメリット・デメリットを理解し、予算と治療期間などを考慮した上で慎重に決めると良いでしょう。

治療中の歯のない期間について

インプラント手術を2回法で行う場合、1回目の手術でインプラントを埋入し、2回目の手術でインプラント人工歯を装着します。

1回目の手術と2回目の手術の間、歯がない状態で過ごすことになると思われがちですが、基本的には仮歯を使用します。

見た目に大きく関わる前歯の場合は、歯のない期間はほとんどありません。即日仮歯という方法であれば、1回目の手術をした当日に仮歯を入れることも可能です。

奥歯の場合は、口内の状態によって仮歯を入れないこともあります。

まとめ・・・インプラント治療で健康な食生活を取り戻す

インプラント治療は、初診から最終補綴物装着まで3カ月〜1年程度の期間が必要です。

治療の流れは、検査・治療計画、第一治療(インプラント埋入)、治癒期間(2〜6か月)、第二治療(アバットメントと人工歯の装着)、定期健診という段階を経ます。

手術自体は短時間で終わりますが、インプラントと骨が結合するまでの治癒期間が重要です。この期間中は、過度な飲酒や喫煙、激しい運動を避け、口腔内を清潔に保つことが大切です。

入れ歯やブリッジと比較すると、インプラントは咬む力が強く、他の健康な歯を削る必要がないという大きなメリットがあります。ただし、健康保険は適用されません。

きちんと噛めるということは、痴呆症やがんの予防にも効果があり、全身の健康にも影響してきます。

当医院では患者様に安全で最善な治療をご提案します。インプラント治療に関するご質問やご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

加藤歯科医院では、患者様一人ひとりに最適なインプラント治療をご提案しています。まずはお気軽にご相談ください。