インプラント治療後に違和感を感じるのは自然なこと

インプラント治療を終えた患者様から、「違和感が続いているのですが、大丈夫でしょうか」というご相談をいただくことがあります。

顎の骨に人工歯根を埋め込む手術を行うため、術後に何らかの違和感を覚えるのは決して珍しいことではありません。

多くの場合、時間の経過とともに自然に改善していきます。しかし、中には早急に歯科医師に相談すべき症状もあるのです。

今回は、インプラント治療後の違和感について、正常な経過と異常な症状の違いを詳しく解説いたします。どのような症状が出たら歯科医院を受診すべきか、その見極め方をお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

一時的な違和感・・・手術直後に起こる自然な反応

インプラント手術の直後は、麻酔が切れると痛みや腫れが生じます。

これは外科手術を行った以上、避けられない身体の自然な反応です。歯茎を切開し、顎の骨にドリルで穴を開けて人工歯根を埋め込むという処置を行うため、手術部位に炎症が起こるのは当然のことといえるでしょう。

手術直後の腫れや出血について

手術直後は、患部が腫れたり出血したりすることがあります。多くの場合、1〜2週間程度で違和感はなくなっていきます。

この期間は処方された痛み止めを服用することで、日常生活に大きな支障をきたすことなく過ごせるでしょう。術後2〜3日をピークに、徐々に痛みや腫れは軽減していきます。

人工歯に慣れていないことによる違和感

インプラント治療で人工歯が入ると、かみ合わせのバランスが変わります。

最初のうちは違和感を覚えるのは自然なことです。発音の仕方が変わったり、舌が人工歯にあたって異物感があったりすることもあるでしょう。

これらの違和感も一時的なものです。しばらく経つと、新しいかみ合わせに慣れて気にならなくなります。人間の身体は順応性が高いため、数週間から数ヶ月で自然に馴染んでいくのです。

長期的な違和感・・・注意すべき症状とその原因

手術後しばらく経ってから生じる違和感には、注意が必要です。

時間の経過とともに改善するはずの違和感が続く場合、何らかのトラブルが起きている可能性があります。以下のような原因が考えられるでしょう。

インプラント周囲炎を発症している

インプラント治療後に現れる違和感の原因のひとつに、インプラント周囲炎があります。

インプラントの周囲の歯肉や顎の骨に、炎症が起こる病気です。インプラント周辺が細菌に感染してインプラント周囲炎になると、歯肉が腫れたり出血したりします。

放置すれば、顎の骨が溶けてインプラントが抜け落ちることもあります。インプラント周囲炎を防ぐには、歯磨きに加え、デンタルフロスや歯間ブラシを使った丁寧なセルフケアが欠かせません。

インプラント周囲炎を発症している恐れがある場合はすぐに歯科医院を受診し、早期に治療を開始することが大切です。

インプラントが適切に埋入されていない

インプラント体の埋入位置や角度が適切でない場合、噛み合わせが悪くなります。

そのため、人工歯が他の歯や神経に当たって違和感が生じます。インプラントが適切に埋入されていないことで違和感が生じている場合は、インプラント体の除去や再手術が必要になることもあります。

上顎洞の炎症

上顎の歯根部には、上顎洞という空洞があります。

インプラント治療中の処置が不適切だと、インプラントの先が上顎洞まで貫通し、炎症が起こるリスクが高くなります。インプラント治療がきっかけで上顎洞に炎症が生じると、鼻づまり・黄色い鼻水・頬や目の周りの痛み・頭痛・嗅覚障害などの症状が現れます。

このような症状が出る場合は、インプラントが上顎洞に貫通している可能性が考えられます。上顎洞を洗浄する治療や、場合によってはインプラントの除去が必要になることもあるでしょう。

アバットメントの緩み

インプラント治療では、顎の骨に埋め込んだインプラント体の上に人工歯を取り付けます。

人工歯とインプラント体は、アバットメントと呼ばれる部品で連結されます。アバットメントが緩くなると、人工歯が不安定になって違和感が生じるのです。

ネジが緩む原因として、噛み合わせの悪さが考えられます。噛み合わせが悪いと、一部の歯に過剰な力がかかり続けるためネジが緩みやすいです。ネジの緩みは、定期的な歯科検診で見つけることができます。

噛み合わせの変化

インプラントの上部に取り付けられる人工歯の硬さは、天然歯とは異なります。

人工歯の材質によっては、天然歯よりも硬いことがあります。そのため、噛み合わせのバランスが変化し、違和感が生じることがあるのです。

また、インプラント治療後に他の天然歯が移動したり、歯周病が進行したりすることで、噛み合わせが変化することもあります。

歯科医師に相談すべき症状の見極め方

違和感が続く場合、どのような症状が出たら歯科医院を受診すべきでしょうか。

以下のような症状が現れた場合は、早急に歯科医師に相談することをおすすめします。

痛み止めを服用しても軽減されない痛み

インプラント手術後は痛み止めが処方されます。

基本的には、痛み止めを服用すれば日常生活には支障をきたさない程度に痛みが軽減されるでしょう。しかし、痛み止めを服用しても痛みが軽減されないケースが存在します。

手術後の回復過程に、何らかの問題が生じている可能性があるので注意が必要です。口腔内の組織が過剰に反応している可能性や、ほかの健康問題が原因で痛みが増強されている可能性もあるので、速やかに歯科医師に相談しましょう。

1週間以上続く痛みや違和感

インプラント手術後の痛みは、2〜3日をピークに1週間程度で徐々に軽減します。

1週間では痛みが残る場合もありますが、痛み止めを服用しなくても過ごせる程度のことが多いです。手術から1週間以上経過しても痛みが続く場合は注意しましょう。

手術部位に異常な炎症が起こっている可能性や、細菌に感染している可能性が非常に高いです。

時間の経過とともに悪化する症状

通常、インプラント手術後の痛みは術後2〜3日をピークに徐々に軽減します。

時間の経過とともに痛みが悪化する場合、通常の回復過程で生じる痛みではない可能性が高いでしょう。痛みが徐々に増す場合、手術部位の感染や炎症が原因であることが多いです。

インプラント周囲の骨や組織が拒絶反応を起こしている場合や、手術部位が適切に治癒していない場合もあるでしょう。

出血や排膿を伴う症状

インプラント手術後の出血や排膿は、特に注意が必要です。

手術直後の軽度な出血は正常な範囲内ですが、数日経過しても出血が続く場合や、膿が出る場合は感染症の可能性があります。膿が出ている場合は、細菌感染が進行している証拠です。

早急に歯科医院を受診し、適切な治療を受ける必要があります。

ぐらつきや浮いた感じがする

インプラントがぐらついたり、浮いた感じがしたりする場合は、すぐに歯科医師に相談してください。

インプラント体と骨がしっかりと結合していない可能性があります。通常、インプラント体と骨が結合するまでには数ヶ月かかります。

この期間中にインプラントに過度な力がかかると、結合が妨げられることがあります。また、インプラント周囲炎によって骨が溶けている場合も、ぐらつきが生じます。

インプラント治療後の違和感を和らげる方法

違和感を少しでも和らげるために、患者様ご自身でできることがあります。

以下の方法を実践することで、快適な回復期間を過ごせるでしょう。

食事に気を配る

手術後しばらくは、柔らかい食べ物を中心に摂取しましょう。

硬い食べ物や粘着性のある食べ物は、インプラント部位に負担をかける可能性があります。おかゆ、スープ、ヨーグルト、豆腐などの柔らかい食品を選ぶと良いでしょう。

また、熱すぎる食べ物や冷たすぎる食べ物も避けることをおすすめします。適度な温度の食事を心がけてください。

飲酒や喫煙を控える

飲酒や喫煙は、傷の治癒を遅らせる要因となります。

特に喫煙は、血流を悪化させ、感染症のリスクを高めます。インプラント治療後は、少なくとも数週間は禁煙することが望ましいです。

飲酒も、手術後の回復期間中は控えめにしましょう。アルコールは血流を促進し、出血や腫れを悪化させる可能性があります。

丁寧なセルフケアを継続する

インプラント周囲炎を防ぐには、丁寧なセルフケアが欠かせません。

歯磨きに加え、デンタルフロスや歯間ブラシを使って、インプラント周辺の汚れをしっかりと除去しましょう。ただし、手術直後は患部を強く刺激しないよう、優しく磨くことが大切です。

歯科医師から指示された清掃方法を守り、毎日のケアを怠らないようにしてください。

定期的に歯科検診を受ける

インプラント治療後は、定期的な歯科検診が非常に重要です。

歯科医師が定期的にインプラントの状態をチェックすることで、早期にトラブルを発見できます。ネジの緩みや噛み合わせの問題なども、定期検診で見つけることができるでしょう。

当院では、患者様に安全で最善な治療を提案しております。インプラント治療後の違和感が続く場合や、気になる症状がある場合は、どうぞお気軽にご相談ください。

インプラントで失った歯と歯根を回復させる

人の物を噛む力は非常に強く、前歯で20kg、奥歯なら60kg、口の中全体では実に350kgぐらいのすごい力をもっています。

噛む力は、歯が約3分の1であごが残りの3分の2を支えています。あごの骨には歯の数だけ凹みがあり、その中に歯がきちんと収まっているため固いものを噛んでもびくともしません。

しかし、これは1本も抜けていないきちんとした状態である場合で、たった1本抜けただけでも、通常の2〜3倍の力を加えないと同じようには噛み砕けないのです。

失ってしまったら、すぐにでも同じように噛めるように治療をしなければ、噛む力だけでなく、体のバランスなどにも影響がでてきます。きちんと噛めるということは、痴呆症やがんの予防にも効果があり、全身の健康にも影響してきます。

インプラント治療により失った歯と歯根を回復させることで、自分のものと同じ感覚でしっかり噛むことができるようになります。義歯のかむ力をサポートし、義歯が外れにくくなります。インプラントは安定しており、かなりの力で物を咬むことができるのです。

まとめ

インプラント治療後の違和感は、多くの場合、時間の経過とともに自然に改善します。

しかし、痛み止めを服用しても軽減されない痛み、1週間以上続く痛み、時間の経過とともに悪化する症状、出血や排膿を伴う症状、ぐらつきや浮いた感じがする場合は、早急に歯科医師に相談する必要があります。

インプラント治療後は、柔らかい食事を心がけ、飲酒や喫煙を控え、丁寧なセルフケアを継続することが大切です。そして、定期的な歯科検診を受けることで、トラブルを早期に発見できます。

当院では、患者様に安全で最善な治療を提案しております。インプラント治療後の違和感や気になる症状がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。きちんと噛めて、見かけもきれいにして、いつまでも楽しい食事をしましょう。

加藤歯科医院では、インプラント治療に関する無料相談を承っております。お電話またはホームページからお気軽にお問い合わせください。